心不全・不整脈・狭心症・心筋梗塞
心臓は、肺と全身に血液を送るポンプの機能を果たしています。
心不全は、そのポンプ機能が障害され、全身に血液を十分送り出すことができなくなります。肺や全身にうっ血が生じ、息苦しさ、むくみ、疲れやすさ、ピンク色の痰などさまざまな症状が出現します。急な体重の増加、脈拍の増加、尿量の減少も引き起こします。風邪など感染症を機に、心不全が悪化して入院になることも多いです。心不全の治療に、降圧薬、利尿薬、β遮断薬などを使用し、普段から心臓の負担を減らす治療をしていきます。
不整脈は、脈が遅い、脈が速い、脈が不規則な状態を言います。運動やストレスによる生理的なものと、病的なものとがあります。病的な不整脈は、心臓に流れる電流の発生源や伝達経路に異常があることで生じます。程度が軽ければ自覚症状を伴わないことも多いですが、動悸、胸痛、胸部不快感、息切れ、めまい、失神を生じることがあります。不整脈の治療は、不整脈のタイプによって大きく異なります。治療したほうがよいかどうかは、危険な不整脈か、血栓症が起きやすいか、失神などの自覚症状を伴っていないかを考慮して決定されます。
狭心症は、心臓自体に血液を供給する冠動脈という血管の血液の流れが悪くなり、心臓に障害が起こります。冠状動脈の内腔が狭くなると、心臓の筋肉に十分な酸素が供給できなくなり、胸の痛みがみられます。冠動脈の詰まりがひどく、心臓の一部の筋肉組織が壊死してしまうと心筋梗塞と言います。喫煙は狭心症・心筋梗塞と強い関連があり、受動喫煙でも影響があることが指摘されています。禁煙すれば比較的早くリスクの低下がみられ、禁煙後1年で大幅な低下がみられます。禁煙するように心がけましょう。狭心症の治療は、血管を拡張する薬(ニトログリセリンなど)、心臓の働きすぎを抑える薬を使用し普段から予防するようにします。
よくある質問:狭心症の既往があり、胸痛時はどうすればいいですか?
狭心症発作の予防治療を続けていて発作が起きたときは、まず安静にし、すぐにニトログリセリン舌下錠を用います。冠動脈を拡張する強い作用で、大体はこれで発作は治まります。狭心症発作が治まらないときは、もう一度同じ薬を用います。それでも治まらなければ、心筋梗塞の可能性があり、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。