気管支喘息

空気の通り道である気道が狭くなることで、喘鳴(咳や息を吐くときにヒューヒュー、ゼーゼーという笛の鳴るような音)が聞こえ、呼吸が苦しくなる状態(発作)を繰り返す病気のことです。このような症状を繰り返しているのが気管支喘息です。気管支喘息では、気道に炎症が起こっており、この炎症のために気道がいろいろな刺激に対して敏感な状態になっています。話しをする、寝ているだけでも喘鳴がでることがあります。

気管支喘息は、症状や診察での所見、アレルギー検査(血液検査など)、呼吸機能の検査、家族やお子さんのアレルギー歴などを参考に総合的に診断されます。治療は気管支を広げる内服薬、即効性のある吸入薬が主になります。また喘息発作時は良くなっても、喘息発作がみられないときの治療が大切です。症状が無ければ喘息は治ったと思われるかもしれませんが、気道には炎症というボヤが続いています。ボヤが続けばいずれまた喘息発作が起こります。そしてボヤが長く続くと、気道が固く狭くなり元に戻らなくなります。そうなると次に喘息発作がみられたときに、症状をおさえることがさらに難しくなります。

したがって、日頃からボヤをおさえる吸入ステロイド薬などを使って次の発作を予防しなければなりません。適切に使用すれば副作用は少なく安全です。気管支喘息の重症度に応じてその吸入量を調整します。またアレルギーの原因が分かっている場合は、それらを避け、喫煙していれば禁煙をしましょう。

よくある質問:吸入を始めると、ずっと続けないといけないのですか?
喘鳴がみられず呼吸状態が安定していれば、3か月程度ようすをみて吸入薬のステップダウンをしていきます。突然吸入薬をやめたりするのは危険ですので、必ず医師に確認をするようにしましょう。日常生活の状態を確認しながら、徐々に吸入薬から離脱できるように進めていきます。


睡眠時無呼吸症候群

眠ると呼吸が止まってしまうため充分に睡眠ができず、日中に眠くなり、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、認知症など合併症を引き起こしてしまう病気です。1時間あたり10秒以上の呼吸停止が20回以上出現する場合を、中等症の睡眠時無呼吸症候群と言います。睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心筋梗塞、脳梗塞、眠気による事故などを引き起こすため、死亡率が非常に高くなるため、すぐに治療が必要です。ひどいイビキ、睡眠中の呼吸停止がある場合は、検査・治療を受けることが大切です。

よくある質問:どのような検査、治療がありますか?
まず自宅で簡易無呼吸検査を行います。指先に呼吸センサーをつけ、睡眠中の血液中の酸素濃度、呼吸状態を測定します。10秒以上の無呼吸の1時間当たりの回数(AHI)と酸素の低下状態を測定して診断をします。治療はCPAP療法です。睡眠時に鼻や口マスクを着用し、専用の装置で気道へ圧力をかけた空気を送り込むことで気道を広げ、寝ている間に気道が塞がることを防ぎ、睡眠時も呼吸が止まらないようにする治療方法です。