頻尿

頻尿は日常生活に大きな影響をもたらしてしまいます。とくに夜間頻尿は睡眠の障害をもたらします。頻尿は、身体所見、一般尿検査や排尿直後に膀胱に残っている尿を測定する残尿測定などから診断されます。膀胱炎が原因になっていることもあるため、抗生剤が必要になることもあります。

原因として、男性では前立腺肥大症が関係していることもあります。前立腺肥大は尿管を圧迫することで、膀胱に尿が常に貯留する状態になり、溢流性尿失禁(尿があふれ出てくる)になります。尿が溜まっていないのに、膀胱が勘違いして排尿作用を繰り返すことを過活動膀胱といいます。内服治療を試すことで尿回数を減らすことができます。頻尿でお困りのことがあればご相談ください。

よくある質問:どれくらい尿回数が多ければ治療になりますか?
夜間頻尿は、夜トイレに1回でも起きることがあれば夜間頻尿といいます。日中も日常生活に影響する尿回数があれば、治療の対象となります。ご相談ください。

骨粗鬆症

人間の骨は常に、骨形成(骨芽細胞によって骨が造られる)、骨吸収(破骨細胞によって骨が壊される)が繰り返され、常に新しく造り直されて硬く丈夫になるようにできています。それを骨代謝といいます。しかし、骨粗鬆症という病気は、骨形成よりも骨吸収が上回る状態が続いた結果、骨の容量が減少し骨がもろくなった状態をいいます。そうなると簡単に骨折しやすくなります。

原因として、骨を形成するカルシウム不足やマグネシウム不足、カルシウムの吸収に必要なビタミンDが少なくなっていることがあります。また適度な運動によって骨に一定以上の負荷をかけないと骨形成におけるカルシウムの利用率が悪くなるため、運動不足も骨粗鬆症の原因になります。高齢女性は骨粗鬆症のリスクが高くなりますが、それは閉経後に骨芽細胞を活発にする女性ホルモン「エストロゲン」が激減するためです。

脆弱性骨折(肩関節周囲の骨折、手関節の骨折、脊椎の圧迫骨折、大腿骨骨折)の既往があったり、骨密度を測定しYAM(若い人の骨密度)と比較して、70%以下であれば骨粗鬆症と診断されます。また血液検査で、骨代謝を評価するものとして骨形成マーカーと骨吸収マーカーがあります。測定することで今後骨密度がどの様に変化するのか知ることができ、骨粗鬆症治療の薬剤選択の参考になります。当院では、まず骨密度を測定し、治療対象となれば、治療開始前に血液検査(甲状腺、カルシウム、骨形成・骨吸収マーカーなど)を測定し、治療を開始していきます。

よくある質問:骨粗鬆症の治療はいつまで続ければいいのですか?
骨粗鬆症は、骨折の既往がなければ自覚症状もないため、治療を継続することに重要性を感じないことが多いです。しかし、努力しても骨を丈夫にすることは難しく、将来の骨折予防を目的とするうえでも治療を継続することが重要だと考えております。